建てたら終わりじゃない!
築年数で見る!戸建メンテナンススケジュール

戸建に長く快適に住み続けるため、あるいは売りに出す際の資産価値を高めるためには、必要な時期に必要なメンテナンスを行わなければなりません。メンテナンスを行うべき場所と時期を把握しておくために築年数別の戸建メンテナンススケジュールを見てみましょう。
- ①築5〜10年
- 戸建住宅の外壁には、耐震性や耐火性、遮音性に優れた効果を発揮する窒業系サイディングがよく使われますが、この一般的な耐用年数は7〜13年。また内装ではクロスに変色が起こりやすくなる時期でもあります。いずれも日々の清掃をこまめにしておくことで耐用年数を長くすることはできますが、この時期には外壁やクロスの様子をチェックすることに加えて、築10年が近くなると水回りにも注意してみてください。
- ②築10〜15年
- 築10年を過ぎると、給排水管を含む設備機器の劣化、窒業系サイディングを使った外壁のシーリングの劣化やタイルの剥がれ、クロスの経年劣化による変色などが見られる時期になります。これ以前にメンテナンスを行っていないならば、この時期に更新や貼り替えを考えてみましょう。
- ③築15〜20年
- あらゆる設備機器、空調機器などが傷んでくる時期です。また内装・外装についても大々的に入れ替えを検討する時期でもあります。これらを一度に行うとかなりの修繕費用がかかるため、これ以前に少しずつ直しておくか、劣化が激しい箇所から少しずつ行うのもいいでしょう。
- ④築20〜30年
- 屋根の葺き替えやサイディングやクロス、フローリングの総貼り替え、ユニットバスの交換など、大きなメンテナンスが必要になる時期です。新築の頃にはなかった新しい設備なども開発されていることが多いため、これを機に全体をリフォームするのもいいですね。
リフォームってどれくらいかかるの?

では、リフォームにかかる費用をそれぞれ修繕が必要な箇所別にチェックしてみましょう。屋根や外壁などのリフォームを行う場合は足場を組まなければなりませんが、「足場を組む」というだけでそれなりの費用がかかってしまいますので、できれば屋根と外壁のリフォームは一度にやってしまうのが理想的。そうすれば足場にかかる費用は1回分だけで済みます。仮にすべて一度で済ませた場合の屋根・外壁の塗装(および防水処理)にかかる費用は150万〜180万円程度です。自然災害に遭うなどして劣化が激しく、葺き替え、貼り替えが必要な場合には300万〜500万円ほどかかる場合もあります。
室内の設備に関しては、10年を過ぎるとキッチン周りの設備、特に給湯器の交換が必要になるケースが多いようです。給湯器の交換については、給湯配管を含むエコキュートの交換費用が60万〜80万円ほどです。さらに水回り設備をすべて交換する場合は、100万〜300万円ほどかかると思っておきましょう。
リフォームが必要になる頃には、新築の頃とは家族の年齢構成も変わってきていることと思います。せっかくリフォームするなら、その時の家族の状況や年齢に合わせたものを選んでみるのもいいのではないでしょうか。
1か月1万円を積み立てよう

やはり戸建を注文住宅で建てた場合などは、建物や設備に保証期間がそれぞれ設けられている場合がほとんどです。これをうまく利用しながら、点検を無料で行ってくれる間は修繕時期と合わせて相談してみるのもいいですね。
時期に個人差はあれ、長く住み続けているとどこかの時点では修繕やリフォームが必要になります。それがいっぺんに来ると100万円を超える出費になってしまいますので、1か月に1万円ずつでもいいので、メンテナンス・リフォーム費用として積み立てておくといいと思います。マンションの場合はこれを管理会社が回収してくれますが、戸建の場合はすべて自分でやらなければなりません。いずれは必ずかかるお金なので、不具合があったときすぐに対応できるよう、少しずつでも新築時から積み立てておくと安心ですね。